愛媛県農林水産部農産園芸課

アスリート食としてのジビエ活用の取組み①

 ジビエファイル  2021年03月07日

牛や豚に比べ、脂質が少なく高タンパクで様々な栄養素を含むジビエ肉は、アスリート食としても注目を集めており、的確なタイミングで摂取することで、高いパフォーマンスにつながると言われています。特に鉄分の豊富な鹿肉を中心に、県内のアスリートへの普及を目的としたサンプル提供を実施しました。愛南町で捕獲された鹿肉(モモ、ミンチなど)と猪肉(ロース、肩ロース、モモなど)約80kgを、愛媛FC愛媛FCアカデミーの選手の皆さんに提供しました。

ユースとスクールから成る愛媛FCアカデミーのうち、約22名の選手が親元を離れ、寮での集団生活をしています。彼らの毎日の食事を作る石丸美奈子さんは「アスリートフードマイスター」の資格を持ち、特に試合前などの綿密な栄養管理を行っています。
「現役の高校生なので食べ盛りということもありますが、肉類は好んで食べます。バランスのとれた身体づくりができるように脂質の低いジビエ肉を効果的に使いたいです。」とのことで、以下のメニューの他にも麻婆豆腐、鹿肉キムチ、猪肉キムチ等、ジビエ肉には不慣れな選手たちが積極的に食べられるような料理を工夫して作られています。

●鹿肉の焼肉
鹿肉(ロース、モモ)/2.5k、 ピーマン/3袋、 えのき/4袋、 しめじ/4袋、 人参/3本、 玉ねぎ/5個、 にんにく/1玉、 酒、 焼肉のたれ

鹿肉をすこし厚めのスライスし、たっぷりのにんにくすりおろしと酒を揉みこんでから焼いています。最後に焼肉のたれを和えています。肉をすこし厚めにカットすることで肉感たっぷり食べ応えがありますが、肉質が固くなるので、たっぷりのにんにくと酒で揉みこんでから焼きました。

●猪肉のトマト煮込み
猪肉(もも)/2.5k、 椎茸/3p、 じゃがいも/6個、 ピーマン/3袋、 玉ねぎ/4個、 トマト/2k、 にんにく/6片

猪肉は焼き目を付けてからぶつ切りにし、柔らかくなるまで茹で煮し、その他の材料を入れてじっくり煮込みました。トマトは秋に冷凍していた久万高原町産ぶつ切りトマトを使用しています。

 

●鹿ミンチのオムレツ

鹿ミンチをトマトペーストで炒め煮し、オムレツにしました。やはり高校生男子はいつものカットした三角形のオムレツでなく、一人ずつのオムレツに大変喜んでいました。淡白な鹿肉にハーブとスパイスを効かせて味付けしています。

若い選手たちにとっては、日常的に摂取していない食材であり、摂り始めたばかりのために顕かなパフォーマンスの変化はありませんが、単純に「美味しい!!」と大好評とのこと。今後継続してメニューに取り入れていくことで、効果が期待できればとのことでした。