愛媛県農林水産部農産園芸課

えひめジビエが食べられるお店『狩人の空』

 ジビエファイル  2020年02月26日

2019年にオープンした『狩人の空』は、愛媛県産ジビエの魅力を前面に押し出した、これまでにない新しいタイプのジビエ料理店です。オーナーの宮脇さんは馬肉料理の専門店等を経営し、松山市内で長年にわたり飲食事業に携わってきた、いわば「肉のプロ」。3年前、地元でもある松山市北条の猟友会関係者から、ジビエ料理店出店についての相談を受けたことがきっかけだったと言います。

「猟友会の方から鳥獣害の話を聞き、自分にできることは何か考えました。15年以上飲食をやってきて良かったなと感じるのは、お客様に「美味しかったよ」と喜んでもらえたり、社員が働き甲斐を感じてくれたりといったことなのですが、実は“誰かの役に立っている”と感じたことはありませんでした。僕達が駆除した獣肉をたくさん使うことで、猟師さんの収入が増え、地域の大きな課題解決の後押しになる。このモデルの実現に、やっと自分の経験が活かせるかもしれない、と直感しました。」

宮脇さんは全国のジビエ料理店や流通などについて、丁寧に調査、情報収集をしたと言います。

「絶対に失敗してはいけないと思いました。全国にはジビエ文化の理解に基づいてビジネスとして成功しているお店が増えてきましたが、愛媛では難しい。自然が近い分、不十分な処理の肉を経験しているなど、ジビエに対する抵抗が強いからです。牛豚鶏など普通のお肉に近いもの、それ以上の品質でなければダメで、誰にでも受け入れられる馴染みのある料理を出そうと思いました。」

猟友会から紹介されたしまなみイノシシ活用隊高縄ジビエの肉は、宮脇さんからみても全国に引けを取らない高品質なものでした。
「猪も鹿も処理技術はトップレベルで、安心して使っています。実は店のスタッフも解体にかかわる者が多く、肉の状態を常に把握できているので、お客様にも丁寧な説明をすることができるんです。」

客層は幅広く、一見客や観光客も多いそう。オープンにあたって、広告宣伝はあまりせず、じっくりと商品開発をしながら営業をスタートさせたと言います。

「都会のジビエ料理店と違い、できるだけ低価格で提供したいと思っています。未利用部位をうまく活用しながら、ハンバーグやしゃぶしゃぶ、チキン南蛮風などお子様でも食べられる料理に挑戦しています。硬いと思われている鹿肉も、牛や馬より柔らかく、十分に火を通しても硬くならない工夫をいくつも開発しました。」

新しいもの好きな松山の女性客にも人気だとか。
「実は同業者にこそ食べて欲しいと思っています。ジビエ肉の使いやすさや味の良さ、バリエーションの可能性を惜しみなく知ってほしいし、利用するお店が増えることで、より問題解決に近づきます。松山は焼鳥の繁盛店が多く根強い人気があるので、ジビエ肉の活用でお客様に新しい味を楽しんでもらうことができるし、新たな食文化として定着して欲しい。そのためにできることは全力で取り組みます。」

 

ジビエ焼肉・ジビエ鍋 狩人の空

https://karyudonosora.owst.jp/

愛媛県松山市二番町3-8-4 桜井ビル2F
089-933-2755

月~日、祝日: 17:30~翌1:00 祝前日: 17:00~翌1:00
月~日、祝日、祝前日: 17:30~翌1:00 (料理L.O. 翌0:30 ドリンクL.O. 翌0:30)
定休日/月曜日(月曜祝日の場合は翌日振替休日)