愛媛県では、10月を鳥獣害対策強調月間として県下13箇所のモデル集落において、県農業普及指導員が中心になり、被害が多発する集落を重点的に見回り、集落環境の把握、被害防止対策の確認、地域住民の意識啓発等に取り組んでいます。
※有害獣生息調査の様子
モデル集落の一つである伊方町三崎の松地区では、県、町、集落住民が協力して、有害獣の生息、被害調査等が行われました。
調査では、イノシシによる柑橘を食害する被害が増えているほか、圃場の石垣の隙間のカニを捕食するため、石垣を崩すなどの被害も拡大してほか、ニホンジカの生息も確認されています。
※イノシシに崩された石垣
※破壊された侵入防止柵
特に、圃場への侵入を防ぐ2㎞に及ぶ鉄筋柵も接合場所の弱い部分がイノシシに破られるケースが増えており、農業者は収穫作業で忙しい時にもその補修、対応に苦慮していることが確認されました。
集落では、地元狩猟者の協力を得て、新たに破られた柵の周辺にくくりわなや箱わなを設置するなどの対策が取られるほか、破られない柵の設置方法が検討されるなど、今回の調査を契機に、地域をあげたより効果的な鳥獣害対策に取り組むことが話し合われています。
※被害地に新たに設置された箱わな
愛媛県農林水産部 農産園芸課