狩猟の魅力を様々な角度から発信し、新規狩猟免許取得者の確保と野生鳥獣問題の普及啓発を目的としたイベント「えひめ狩猟フェスティバル2022」が2022年10月2日、松山市総合コミュニティーセンターで開催されました(愛媛県主催)。
会場にはジビエ加工品やジビエ料理の展示販売コーナーや、わかりやすく鳥獣害問題に触れられる狩猟クイズラリーが設けられ、訪れた家族連れなどで賑わいました。アウトドアやキャンプ用品の展示販売も併設されていたためか、比較的若い年代の来場者が多く見られました。
モニターを見ながら狩猟感覚が味わえるハンティングシミュレーション体験のコーナーでは、小さな子供や若い女性も銃を抱えて狩猟気分を楽しんでいました。
愛媛県猟友会の活動を紹介するブースや、狩猟免許取得のための相談窓口では熱心に資料に目を通したり、会員の説明に耳を傾ける来場者の姿も見られました。
狩猟の担い手の減少や高齢化が懸念される中で、専門家や実際に狩猟に関わっている農業者らによるシンポジウムも開催されました。愛媛大学社会共創学部准教授の渡邉敬逸氏による講演では、環境デザインや生物多様性から考える狩猟の役割ついてレクチャーがありました。
その後のパネルディスカッションでは県内の狩猟者や狩猟関係者らが農村地域における狩猟の必要性や地域での取り組み、ハンターの確保やその理解に向けた活発な意見交換を行いました。
伊方町の元地域おこし協力隊で、現在は地元で若手狩猟者として活動している大久保玲香氏は、「箱ワナの設置などは、地域の人の餌の提供や監視などの協力があってやれる。イノシシとの知恵比べであるが、生活のためには今後も地域一丸で取り組みたい」と現状と今後への展望について発表し、約100名の聴講者は熱心に聞き入ってました。
会場前には愛媛県内の大学や高校で鳥獣害問題に取り組む学生たちによるパネル展も実施されました。限られた当事者だけでなく、幅広い年代層にも狩猟や野生鳥獣害問題を周知する機会となっていました。