愛媛県農林水産部農産園芸課

内食需要に対応したジビエ加工品の開発

 ジビエファイル  2021年09月27日

四国中央市で本格ジビエが楽しめる和食店「坂ダイ.ニング」が、大三島産イノシシ肉や松野町産鹿肉などにオリジナルの味付けをした冷凍味付け肉の販売を開始しました。

店主の坂上さんは「和ジビエ」という新ジャンルで多くのお客様の支持を得ていましたが、オープン翌年には加工品の物販用に冷凍陳列ケースを導入しました。レストランで食事を楽しんだ後、お土産としてイノシシのハムや鹿のソーセージなどを購入していただくためで、「これらの商品は店内加工ではなく、県下にある獣肉加工処理施設で適正に製造されたものです」と説明することで、「愛媛ジビエ」への理解をもっと深めてもらいたいという思いもありました。

それらの物販に自社開発商品を加えたいと考えていた矢先にコロナ渦に突入。そこで「コロナ対応新ビジネスモデル補助金」を活用し、3種類の味付け肉を開発しました。手軽にジビエに親しんでもらうには焼肉が一番だと考えていた坂上さんは、従来の焼肉のたれではなく、地元の生産者さんの米麹を活用したオリジナルの「無添加たれ」を使った味付けを考案。原料のジビエ肉も加工処理施設で在庫しがちな部位をうまく組み合わせることで「困る人がいない仕組み」を作りました。

より多くの人に愛媛ジビエの魅力を伝えるため、同補助金の活用でECサイトを整備したり、HPに調理方法の動画をアップしたりと積極的な取り組みを続けています。使いやすい1人分の量で家庭でもアウトドアでも手軽に本格ジビエが楽しめる商品として訴求していますが、「飲食店や料理人だけが前に出るのではなく、生産者さんや地元の事業所が力を合わせておすすめしている商品として認知してもらいたい。」と話す坂上さん。先行きが見えない中でも常に前進を続けることで関係する人々に元気を与えています。

商品はECサイトのほか、「坂ダイ.ニング」店舗や県下の産直市(いとまちマルシェ、森の直売所かごもり市場など)でも販売しています。
https://sakadining.stores.jp/