愛媛県では、県内のソフトウェアメーカーと遠隔監視型捕獲システムの商品開発に取り組み、商品化されたシステムを使用した捕獲実証に組んでいます。
県下では開発されたシステムのほかにも、檻の遠隔監視する捕獲システムの開発が進んでいます。県下で取組まれている捕獲システムの開発の状況等をレポートします。
「スマシシ」:㈲ワイヤレスなんかい(西予市宇和町)
通信機器を販売する㈲ワイヤレスなんかい代表取締役の白敷氏は、長年、無線機器の製造、販売業を営む傍ら、自らも高い技術を持つ狩猟者として、有害獣捕獲の捕獲を知らせる発信機や穴を掘らなくても設置可能なくくりわなを考案し商品化しています。昨年11月には、有害獣を遠隔監視しながら群れごと捕獲できるシステム「スマシシ」を商品化しました。
「スマシシ」は、既存のウェブカメラと付属するアプリ、海外製のパーツ等を利用するとともに、システムの機能を絞ったこと等により、これまでのシステムに比べ大幅なコストダウンに成功し10万円以下での販売が可能となっています。
現在、より性能、耐久性の高いウェブカメラの搭載等が試験されており、同社ではそのほかにも工業用に販売されている安価なセンサーを用いて檻に侵入した有害獣を感知し扉を閉めることが可能なシステムの開発等にも取り組むなど、ICT、通信技術等を利用した様々な捕獲機器が商品化されています。
スマシシ本体内部
白敷代表取締役
画像認識型捕獲システム:舟本健氏(西予市野村町)
舟本健氏は、イノシシの蓄養、解体処理業に取り組むとともに、昨年より東京都のシステム開発事業者と新たな遠隔監視型捕獲システムの開発と捕獲実証に取り組んでいます。
開発中のシステムでは、高性能の監視カメラが映像内で動く物体を認識して、利用者に有害獣の檻への侵入をメールで送信。利用者はスマートフォン等に配信されるライブ映像で檻内の状況を確認しながら良いタイミングで檻の扉に装着したシリンダーを操作させ、おりの扉を閉めます。設置から1カ月で12頭のイノシシを捕獲するなど実績をあげており、現在、画像を認識して獣種を自動判別する機能の開発に取り組んでいます。
舟本健氏
システム本体